覗いちゃダメっ
第10章 熱にうなされて
紗耶香「花の家庭、複雑なんです、今も
両親は外出中で花だけで…」
拓海「優しいんだね」
紗耶香「!!」
拓海「(笑)」
紗耶香「あ…そんな…」
野菜を選びながら
紗耶香に優しく微笑んだ拓海
初めて会った時はクールで冷たい雰囲気
だったけど
今は…
紗耶香「…」
拓海「友達って功一と同じマンションに
住んでるんだよね」
紗耶香「そうですけど…えっ?」
拓海「俺が風邪に効く特製の生姜湯作っ
てあげる」
紗耶香「えっあっ…でもそれは…」
拓海「警戒してる?」
紗耶香「…まぁ」
拓海「生姜湯は功一の部屋で作って後で
届ける、ならいいでしょう?」
紗耶香「…それならいいですけど」
拓海「よし決まり」
紗耶香「…」
何故、優しくするのか
ただ単に自分の料理の振る舞いたいのか
花の事を心配してくれているのか
現時点でそれは
謎だった