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覗いちゃダメっ

第12章 彼からの逃亡



田辺「花、花いいんだろう?」

花「あぁ…っ、あっ」

田辺「花…」


何度も逃げようとした
だけどその度に平手打ちされ殴られ
心も体もボロボロ
限界だった


花「もう…もうやだぁ…やだ…」

田辺「花」

花「触らないで…」

田辺「もうすぐ先輩が来るからちゃんと
して」

花「!?」

田辺「野球部で世話になった先輩」

花「なにする気…」

田辺「…」

花「帰る…帰っ…!?」

田辺「待てって」

花「離っ…離して…離してよ!!」

田辺「花の秘密、バラされていいのか?
学校中に、家族に友達に」

花「…」

田辺「大丈夫だよ、大丈夫」

花「…っ」


そうこうしてる間に
数人の足音が教室に近づいてきた
先輩、一人かと思ったら複数いたようで
その数は…


田辺「先輩、お待ちしてました」

花「…!?」


その数ざっと5人はいた




田辺「先輩、お待ちしてました」

花「…」


先輩を出迎える為
一瞬だったが田辺の手が離れた

逃げるなら今しかない
そう思った花は服を乱したまま窓から
飛び出した


花「痛っ…」

田辺「花!?お前何して…」

花「あっ、っ…!?」


無我夢中だった
挫いた足を引きずり走り続け
教室に戻らず上履きのまま学校を飛び出
した


花「はぁはぁっ…はぁ…」


乱れた制服
上履き
携帯

家の鍵
何も持たず逃げてきてしまった

だけどもう後戻りする事は出来なかった
後戻りしたら最後
自分は…


花「…」


行く当てなどなく
自分の住むマンションに帰った花
だけど家の鍵は鞄の中、その鞄は学校で
もちろん


花「いない…か…」


母は留守
帰宅時間は未定
もしかしたら今夜も帰らないかも…

こうなったら
管理人にわけを話し
鍵を借りようと一階に降りた時
花には救世主とも思える人物が目の前に
現れ…


花「…!?」

功一「花、あれっ学校」

花「功一さ…っう…功一さぁっ…」

功一「!?」

花「うわああぁぁ…」

功一「花…」


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