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第2章 常連さまと私

希空はちょっと、嬉しい気分に浸りながら

モニターを付けた。

映しだしたのはいまから

接客するお客さんの顔だ。

「最初は、スズキさんかぁ〜」

常連のスズキさん。

歳はお父さんぐらいだから

50代?かな。

月1は必ず来てくれる常連さんだ。

毎回おみやげって言いながら

デザート買ってきてくれるんだよな。

ありがたや。ありがたや。

それでもって面白い話を聞かせてくれるし

スズキさんといる時は

風俗嬢とお客さんと言うより

友達みたいな存在だ。

入口横の受話器を取り

案内所にコールした。

「希空です。いつでもどうぞ。」

そう言うと、

『了解です。お迎えお願いします。』

と言って主任は受話器を切った。

ベッド横のストップウォッチを

60分にセットしてスタートした。

ハイヒールを履いて

コツコツ音を鳴らしながら1Fに降りていった。

廊下の向こうにカーテンが引いてある。

主任が顔を出して大丈夫?と

アイコンタクトをしてきたので

頷いた。

カーテンの向こうから

『本番行為の禁止、

写真撮影等禁止、

スカウト行為の禁止、

店外デートの禁止、

以上を守ってごゆっくりお楽しみ下さい。

どうぞ。』

と主任が言い終えた瞬間

カーテンが開いた。

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