テキストサイズ

0874545

第1章 働きはじめたワケ

彼の家は学生アパートのワンルームだ。

自転車を玄関前に停めて

買い物袋をもって玄関ドアをあけた。

男の子の部屋は散らかってるイメージがあったけど、

意外にも部屋は綺麗に片付いており

インテリアにも凝ってるんだと思った。

晩ごはんは私作る約束をしていたから

手際良くカレーを作ってあげた。

彼は美味しそうな顔しながら

ペロッとカレーを平らげた。

『菜々ちゃんお料理得意なんだ。

良いお嫁さんになるよ。』

満面の笑みで言ったけど

実はお泊まりの日まで一生懸命練習した賜物だ。

「毎日お母さんのお手伝いしてるからね。

料理は得意だよ。」

よくある嘘だ。

家ではまったく作らないし、

料理なんて家庭科の調理実習くらいしか作った事なかった。

それからしばらくお互いテレビを観ながら

彼の学校の話や私の夏休みの課題に付いて

話をしてた。

時間も夜10時を回って、

そろそろ映画観よっかって話になった。

3部作のとりあえず1部だけみて、

残りは明日観る事にして

先にお風呂に入る事にした。

先に私がお風呂に入り

入れ替わりに彼がお風呂に入った。

私は持ってきたTシャツとジャージに着替えて

髪の毛をとかしながら

彼がお風呂から出てくるのを待った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ