テキストサイズ

疼くカラダ

第1章 ヤリタイダケ

家に帰るとすぐ、翔平くんの家に行きたかったけど、今日は塾の日。

渋々塾に行き、帰るなり翔平くんの家に向かった。

家の近くに塾があるのに、親に隣の駅の進学塾まで通わされているあたし。

往復だけで結構な時間のロス。

1年になって初めてのテストで、恐ろしく最低の成績をおさめたおかげで、バカだから勉強しろって言われて強制的に入れられた。

進学塾に通っていても、一番バカな最低クラス。

この方がよっぽど屈辱的なのに、親はわかってない。

週に一日なのが、せめてもの救い。

帰ると9時を過ぎるから、塾の日の夕食は途中で適当にすませるのが習慣。

だから、帰りに翔平くんちに直行した。

イトコだから当たり前だけど、翔平くんの親はあたしなんて顔パス。

夜に突然現れたところで、今更動揺したりしない。

チャイムを押し、玄関の中に入る。

「翔平くん、遊ぼー」

2階にある翔平くんの部屋を覗くと、お風呂上がりの翔平くんが机に向かっていた。

そしてあたしの方を振り向き、少し迷惑そうな顔をする。

「遊ぼーって、お前いくつだよ…まだ小学生気分か?」

「だって、遊びたいよ。昨日やったゲーム、しよ?」

翔平くんは、無類のゲーム好き。

この一言で、どんなに忙しくてもゲームに時間を割くのをあたしは知っている。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ