君の笑顔をーー
第20章 フラッシュバック
【 陸 】ー Side ー
俺は、昼飯を食った後、教室に戻ろうと、廊下を歩いていた。
突然、階段から駆け下りてきた奴が俺に
ぶっかってきた。
(痛ってェ… 何だよ…)
そいつの顔を見た時、鼓動が跳ね上がる。
ずっと話したかった、泉だった。
だが顔を見たとき、俺は驚いた。
泉は俺に気付き、顔を上げた瞬間走り出してしまった。
『ッちょッ‼︎ おいッ‼︎ 泉ッ‼︎』
俺は思わず声を張り上げた。
あいつはそれでも止まること無く
走り去っていった。
泉が…
泣いてた………?
今までどんなコトがあっても、涙さえ見せなかった泉が………。