君の笑顔をーー
第20章 フラッシュバック
俺たちは、何度も何度も殴り合った。
息が切れ、2人ともその場に倒れ込んだ。
「……なぁ。先輩。教えてくれよ。
あいつと何があったんだよ…
俺は、昔からあいつといたから。
あいつの泣いた顔、最後に見たのは
小2の時以来なんだよ。何したんだよ…」
『……俺にもわかんねーよ..。
キスしようとして、顔寄せたら
突き飛ばされたんだよ……。』
俺は堪らず、拳を握っていた。
でも…
何であいつはそれで突き飛ばしたんだ。
好きなら相手に触れたいと思うだろ。
恋人なら、色々先を考えちまうだろ。
あいつは、先輩が好きだったんじゃねーのかよ…
俺だって、先輩の気持ちは分かる。
好きなやつには触れたいと思う。
それ以上だって、望む。
お前には何かあるのか?
『先輩…。
俺も先輩の気持ちは分かります。
でも。もうあいつからは手ェ引いて下さい。
もう、あいつのあんな顔見たく無いっすから。これ以上。先輩のそばには、置いとけ無いっすわ。』
俺は、立ち上がるとそのまま屋上から走り出した。