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君の笑顔をーー

第20章 フラッシュバック




『泉…。』


私の名前を呼ぶ声に、ビクっと肩を揺らした。
この声は…陸。


『お前、またこんなとこで泣いてたんだな?』


(え………。)


私は思わず顔を上げた。
陸は私の顔を見ると、ニコっと笑って
頭を撫でた。
私の知っている優しい陸の手。



『そんなとこに縮こまってないで
こっちに座れよ? 何か飲み物買ってくるから。』


そう言って、私の手を優しく引きベンチに座らせた。



『ちょっと待ってろ。』


陸はポンと私の頭を撫で、自販機に向かって歩いた。

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