しのぶ
第1章 1・光への生還
忍びは次第に志信自身をいたぶる手を早めていき、強引に絶頂へと押し進めていく。快楽を拒むように志信は首を振るが、張り詰める欲望は忍びを求め涎を垂らす。
忍びはもう片方の手を、再び志信の後孔に侵入させる。後ろと前、両方から与えられる快楽に、志信はとうとう屈伏してしまった。
「――っ!」
自身から放たれる、絶頂の証。全身が痙攣し、息が追いつかず荒くなる。力を失った志信の体が、くたりと崩れ落ちた。まるで、心ごと折れてしまったように。
「忠義など、所詮は戯れ言よ。これでお前の主は元康ではない。お前は、俺の所有物だ」
さらに追い討ちをかけようと、忍びは志信を仰向けにひっくり返す。そして足の縄を解き大きく志信の足を広げると、余韻に浸る後孔へ己自身を突き入れた。
指よりも何倍も逞しいそれに、志信は身を捩り足を滅茶苦茶に振り回し抵抗する。だが激しく突かれると、結合部から脳天まで走る快感に打たれ硬直した。
「嫌がる割に締め付けてくるな。くわえ込むのが好きなんだろう? そうでなければ、こんな反応にはならない」
志信はもはや抵抗の色もなく、首を振り否定しながらも忍びに合わせて腰を振っている。