お前は俺のxxx
第115章 彼のギャップ。
私はお弁当を広げながら、碧に今朝の話をした。
『立花みたいな頼もしい奴がクラスにいてくれて、俺も安心できるよ。』
そう言って、パンをちぎって口へ運んだ。
「碧っていつもカフェのパンだよね?」
カフェでお昼を過ごしていた時も、コーヒーだけの時やパンを食べているイメージしか無い。
『あぁ..俺の家ってあの環境でしょ?
うちの母さん料理苦手でさ。お世辞にも美味いって言えないんだよね。ハハ。
残すのも悪いから、弁当はいらないって言ってんだよ。』
碧は苦笑いを浮かべていた。
碧の家はお手伝いさんがいて、家事をしてくれていると以前話していた。
母親を想う碧の気持ち...
でも..どこか寂しそうな碧の表情に胸が苦しくなる。
「パンだけじゃ足りないでしょ?
私のお弁当わけてあげるよ!」
『ははっ。大丈夫だよ?
結愛ちゃんはしっかり食べな?』
私はお箸でエビフライを掴むと、碧の口元にそれを運んだ。
「はい。あーん♪」
碧は私の行動に照れながらも、口を開けてパクっと食べてくれる。
『美味しい。』
にっこり笑った碧の表情は、まるで子どものようで私はその顔を見てすごく嬉しくなった。