お前は俺のxxx
第116章 誤解が解けて。
樹に強く握られた私の手首は、手の痕がわかるほど赤く腫れていた。
まだ震えが止まらない腕を、ギュっと握りしめていると、立花くんは壊れ物を扱うかのように、私の腕をそっとクッションの上に乗せる。
『もう大丈夫だからね?
すぐに一之瀬先輩も来てくれるから。』
私を落ち着かせながら、優しく手当てをしてくれた。
バンっと勢いよくドアが開き、息を切らせた碧が駆け込んできた。
『結愛ちゃん‼︎』
「ぁ..お..碧..。」
碧の顔を見て安心した私の目からは、堰を切ったように涙が溢れだした。
碧は私の体をギュっと抱きしめ
『大丈夫だよ。もう大丈夫。』
そう声をかけながら、私が落ち着くまで腕の中に包み頭を撫でてくれた。
『結愛ちゃんが無事で本当に良かった。立花が見かけて助けてくれたんだな?本当ありがとう。』
立花くんが碧にさっきの出来事を説明すると、話を聞いた碧の顔からはいつもの優しい表情が消え、怒りに顔を歪ませグッと硬く拳を握りしめた。
『朝倉が今どこにいるか分かるか?』
その雰囲気に飲まれたのか、一瞬ビクっと肩を揺らした立花くんは
『た.多分教室にいると思います‼︎』
と慌てて背筋を伸ばして応えた。
『結愛ちゃんはここで待ってな?』
碧は私の腕の包帯にそっと触れると、踵を返して保健室を出て行く。
『一之瀬先輩‼︎俺も行きます‼︎』
立花くんも碧を追うように出て行った。
ひとり残された私は静まり返った室内で、震える体をギュっと抱きしめていた。