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叔父さんと僕

第8章 俺と甥っ子と連れ

ブルルルル…

「ん?」

スマホのバイブが俺の左足に響いた。

急いでスマホのロックを解くと、そこには

[鈴木啓太]

と映し出されている。

応答の字をタップし、電話に出る。

「はいよ。」

『よっアキ〜生きとるか〜?』

「生きてるわボケ。」

『わー元ヤン様は怖いわぁ。』

このいちいち腹の立つ言い回しをしてくる野郎は、高校からの付き合いである鈴木啓太。
親の都合で色々なところに引っ越してたから、方言が定まっていない。(関西が多かったらしいから関西よりであるが。)
ヤンチャしてた俺になんの躊躇もなく「自分だっさいカッコしとんな〜」と真顔で言われた入学初日を俺は一生忘れないだろう。
今はチェーンの焼肉店の店長をしている。何が一番腹立つって俺より稼いでることが本当に腹立つ。

『そんでそんで?例の甥っ子ちゃんの性事情についてはどうなん?』

「あー…。」

実はあの日の事を啓太には話した。
だがその後についてはまだ話していない。

「まだ一人でできねーんだよ…」

『まだぁ?俺も母子家庭やったけどしょっちゅうオナっとったで?』

「誰もおめーのことなんか聞いてねーよ。」

『へェーヘェ。あ、そうそう今日自分帰り早い?』

「あぁ?あーまあ今日は6時ぐらいに上がれるかも…ってもしかして来るのかよ?」

『おー、あかんけ?』

「雪乃に変な事吹き込むなよ頼むから。」

『わぁったわぁったって。』

「あと俺明日そんな早くねーけど遅くまでいんなよ。」

『あいよーっ。んじゃ仕事に戻るわ〜、ほんじゃまた夜に。』

「ああ。じゃあな。」

俺もさっさと仕事片付けるか。

スマホをポケットに突っ込んで、タバコを灰皿にやってから、俺は自分のデスクに戻った。

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