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叔父さんと僕

第8章 俺と甥っ子と連れ

それからビーフシチューを食い終え、雪乃は皿洗いをしている。
啓太が「手伝おうか?」と声をかけたが、「大丈夫です。昭彦さんと休んでいてください。」と言われていた。

「雪乃ちゃんめっちゃええ子やーん。ホンマにアレ自分と同じ血入っとんの?」

「当たり前だ。馬鹿言うな。」

「いちいちキッツイでー。」

「うるさい。」

すると、啓太は急にテレビの画面から俺に視線を変える。
珍しく真剣な顔の啓太に、腰が引ける。

「な、なんだよ。」

「自分…雪乃ちゃんにどう思われとるか知りたい?」

「…あ?雪乃にィ?」

俺がそう言うと、啓太は焦って

「アホっ!声でかいわボケっ!」

そう言うオメーもな。

「…そんで、知りたいか?」

「別になんでもいいけど。」

「自分つまらん男やなぁ。モテへんやろ?あ、今更か。」

「うるせーよ馬鹿。」

「じゃあお人好しの俺が言うたるわ。」

乗り気じゃない俺は渋々耳を傾け、啓太は片手を口元に当てて小さく言う。


「雪乃ちゃん、アキの事たぶん好きやで。」


「…は?」

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