モテモテ男の裏の顔⁉︎
第26章 言えよ。
そして昼休みを終えるチャイムの音が響いてきた。
『はぁ..はぁ..何なのコイツ⁉︎
どんだけ強情なんだよ⁉︎』
『加奈子〜。もうほっといて行こ〜?』
『あんた。忠告したからね?
痛い目に遭っても知らないよ?』
彼女たちはそれだけ言い残すと
倉庫の中から出て行った。
(痛った…まじ痛いんだけど。)
ここまでされるのか…。
改めて女の怖さを痛感した気がする。
私はよろよろと立ち上がると、制服についた汚れを手で払い落とした。
蹴られ続けた身体は、鉛のように重く感じる。
扉に手をかけるが、やっぱり開かなかった。
まぁ予想はしてたけどさ。
ここなら誰も来ないからね。
私は壁に寄りかかると、
その場に腰を下ろした。
(クソ。まじ手加減しろよな…。)
「痛ッ…。」
殴られた頬と身体にできた痣。
もう慣れたけどさ…。
兄貴のせいで、同じような目に何度もあってきた。
こうやって閉じ込められることも、殴られることも。
「あ。忘れてた。」
隅の方に転がっていた携帯。
私は携帯を手に取ると
液晶にはヒビが入り割れていた。
これ…使えんのかな?
ボタンを押すと一応ディスプレイは光る。
でもスマホだからね…
スライド出来ないじゃん…