モテモテ男の裏の顔⁉︎
第28章 お前は…
そんなことを考えていた時。
“プップー”とクラクションの音が鳴った。
湊は路上の方を見ると
『あ。来てくれたみてぇだな。
日和。立てるか?』
と言って、私の身体を優しく支えると、
路上に停まっている車の方へ歩いた。
『悪ィね?わざわざ来てもらって。』
(あ…この人…)
『湊ー。毎回世話の焼ける奴だな。』
(やっぱり…あの時の。)
『お?この間の姉ちゃんかー。
はははっ。また何かあったんか?
姉ちゃんも相変わらずだな?』
私が恐縮していると、湊は先に車に乗り私の手を引いて隣に座らせた。
『姉ちゃん家どこよ?
ナビに入れっから。』
私は言われた通りに、
自宅の場所を伝えた。
『お前、明日の放課後空いてっか?』
「え?何もないけど…何で?」
『じゃあ、買い物付き合え。』
「は?」
『予定空けとけ。』
(私の意見は⁉︎
まぁ…助けてもらったしね…。
買い物くらい別にいいか。)
しばらくして、車は自宅近くに着いた。
「すみません…わざわざ送っていただいて…。先日もご迷惑おかけしたばかりなのに…。
本当にありがとうございました。」
お兄さんにお礼を言って車を降りると、
湊も一緒に降りてきた。
『姉ちゃんの家この辺りか?
ツレがこの近くに住んでんだよ。
ちと寄って帰るか。
そこのパーキング駐めてくっから。』