モテモテ男の裏の顔⁉︎
第36章 彼の嫉妬。
【 湊 】ーSideー
学校へ着き、一服しようと屋上へ続く階段を上っていると声が聞こえた。
(誰かいんのか?)
気にせずそのまま上ると、俺は目にした光景に目を疑った。
日和を壁に押し付け、唇を重ねている男。
それを見た途端、拳に力が入る。
『お前何やってんだよ?』
俺の声に反応した男は日和を離すと、俺の方へ振り返った。
俺を挑発するようなセリフ。
(あ?何こいつ?
ふざけんじゃねぇよ!)
どんどん苛立ちが募っていく。
俺を見て動揺する日和の瞳からは、
涙が溢れ落ちた。
(!!!)
俺は日和を抱き寄せると、
腕の中に小さな身体を収めた。
目の前にいるこいつへの怒りよりも、傷ついた表情で涙を溢した日和を抱きしめてやりたかった。