病み✕つき
第2章 接近
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放課後、ドキドキしながら視聴覚室に向かう。
どうしよう、これから天野くんに会うって考えるとやっぱり緊張するよ…!
なんだか急に足取りが重くなって教室に入れず廊下をウロウロ
「なにやってんの?」
「ふぇっ!?」
あ、天野くんっっ!!
「教室入れば?笑」
「ぅ、ぅん…」
み、見られた…ちょー恥ずかしい…!
「あれ、まだみんな来てないんだね…」
机がたくさん並ぶ教室には天野くん一人だけ
「あぁ、今日は2年だけで視聴覚室の準備しろってさ。」
「あっ、そうなんだ」
ってことは、もしかしなくても天野くんとあたしの二人きりってこと?
「とりあえずここにある机移動してセッティングするだけでいいらしいから、さっさと終わらせるか〜」
「そだね…!」
「じゃー江藤そっち側持ってくれる?」
「あ、うんっ」
長くて大きな机の端と端を二人で持ち上げて移動させる
天野くんとこんなに話したのも昨日が初めてなのに、いきなり二人きりなんて
どうしよ…
間が持たないよぉ…
「あ、天野、くん…」
自然に振る舞おうと、なんの脈絡もなく話しかけてしまった。
「ん?」
真っ直ぐな目で覗き込まれて、思わず言葉に詰まってしまう
「…あ、そういえば、さ。あたしの名前覚えてくれたんだね!」
「え?」
「クラス違うから話したことなかったし!なんか嬉しいなっていうか!」
な、なに言ってんのあたし〜!
ただの本心話してどうするんだ!