病み✕つき
第2章 接近
「ははっ、なにそれ」
天野くんが目を細めて笑った。
「中学も一緒だったじゃん。てか、名前ぐらい別に知ってたよ?」
「ぇっ」
予想外の返事だった。
だってわたしの存在なんて知らないと思ってたから
「…あ、そっか、そうだよね!青中だもんね!」
「クラス一緒になったことないよな〜1回も」
「だよね〜たしかに!なんでだろ〜」
ニヤけそうになる顔を必死に誤魔化すように笑顔でペラペラと喋った。
どうしよう、めちゃくちゃ嬉しい…
こうして天野くんと喋ってること、天野くんの優しい瞳も、わたしを知っててくれてたことも
こんなに舞い上がってるの、バレてないかな
わたしはあくまで平然と普通に会話を続けた。