病み✕つき
第2章 接近
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「…っと。これでラストだな」
「うん、終わり!」
全ての机をセッティングし終えた頃には、窓の外はすっかり暗くなっていた。
「6時、か。」
「意外と時間かかっちゃったね」
「だな。準備終わったしもう帰るよな?」
「そーだね、じゃあまたねっ」
そう言って鞄を持った。
「あ〜っ、江藤」
「うん?」
「待って、俺も行く」
「う、うん…!」
天野くんが鞄を肩に掛けながらわたしを呼び止めた。
「江藤家どこ?」
「えっと、桜ヶ丘…」
「俺も途中まで一緒。帰ろ?」
え、え、なにそれ
一緒に帰るってこと…!?
またもや予想外の展開に頭がついて行けない。
天野くんに顔を覗きこまれてわたしは自然と頷いていた。