病み✕つき
第4章 証
「話したくないならいいけど…
俺にできることあったら…ゆって?」
天野君は優しい
あの時と何も変わらない
なんであたしなんかに、いつも優しくしてくれるの…?
「…お願いがあるの…」
「なに?」
「…キス、してほしい…」
そう言うと天野君は少し驚いた顔をして少しの間黙ったあと、あたしの涙に濡れた頬をそっと拭った。
「…いいの…?」
「…うん」
軽く触れるくらいの優しいキス
嬉しいのに、なぜだか再び涙が溢れてきた。
あたしにはやっぱり天野君しかいないから…
他には何にもないの…
だから、付き合ってるって実感がほしかった。
天野君があたしを好きだという証が。
天野君だけはあたしの側にいてくれるって、
そう思いたいから…