病み✕つき
第1章 プロローグ
「じゃあちゃっちゃと係決めするぞー。まず装飾係り。やりたい奴挙手なー」
先生の仕切りで係決めが始まった。
装飾なら楽しそうだし、やろっかなぁ
「はい」
手を上げると先生は渋い顔をした。
「2年は女子だけかぁ…
装飾は重いパネルとか運ぶ作業もあるから、できれば男子がいたほうがいいんだけどなぁ」
そーなの!?
てっきり簡単なのかと…
「他に装飾手伝ってくれる奴いないかー?」
「………」
なかなか手は挙がらない。
まあ、やるとなったらあたし一人でもなんとかなるよね
「じゃあ、俺やります」
えっ
「おー天野!やってくれるか!
じゃあ装飾係りは2組の天野と4組の江藤だな。よろしく頼むぞ」
「あ、はいっ!」
「うぃっす」
手を挙げたのは天野君だった。
予想もしない展開に頭が真っ白になる。
天野君と一瞬の係りだ…!
瞬時に嬉しさが込み上げて胸が高鳴る
そしてなにより、さっきの状況で天野君が手を挙げてくれたのが何より嬉しかった。
やっぱり天野君は優しい