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天女

第4章 お城のなかで


目をさますと
お姫さま抱っこで
抱えられていた
ーー歌舞伎役者のような
先程抱かれたあの男に

ただ一糸まとわぬ姿で。

「きゃあっ!?」

妙ににこやかな顔に
私は悪寒が走る。

「お目覚めですか」

「え?」

「いやらしい夢でもみていたんですね」

彼の目線の先に顔をむけると
透明な光沢が下へたらりと垂れている

「なっ……それにここ廊下じゃないの」

使用人らしい人にはひそひそと話し
はたまた二度見されたり
当然男の人には好奇の目でみられる

身体中が熱くなっていく

「湯浴みでもしましたか」

耳に冷たい息がかかり
思わず「ひゃっ」と声をあげる

アソコがじわりと濡れてきたと
わかると身体中が火照った。

こんなこと恥ずかしいのに
今すぐ逃げたいのに

木造の廊下は長い。

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