テキストサイズ

天女

第4章 お城のなかで

しかしすぐに聞き覚えのある声がした。

「いいからはやく起きろ」

「独眞……!? どうしてここに」

「それはこっちの台詞だ 
なんで俺の部屋で寝ている」

「ならこの部屋はーー」

自分の部屋ではない

「すでに噂になっている 
俺の弟に抱かれていたのだろう」

「えっ」

「何故気を付けなかった」

ガシッと両肩を掴まれ
ズキンと鈍い痛みが駆け巡る

「痛い」

どうして
さっきから
こんなめにあっているのだろう
私は何かしたのだろうか。

そう考えると
涙が流れた

「すまない」

ほんとうに申し訳なさそうで
なんだか胸が痛い。

「大丈夫 なんともないよ」


「どうしたら良いのかわからないのだ

顔をみせないように頭をさげた

「こういう時はどうすれば
俺はどうしたら良い?」

静寂で空気が緊迫する

「優しくしてほしい……です 
それでこの痛みを消してほしい」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ