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溺愛禁止。

第9章 ちょっとだけなら許可します。

ぎゅう---っと抱き締めてから、二人の間にゆっくりと隙間を作って恋実ちゃんを見下ろす。


恋実ちゃんはまだ観念していなくて


俺の腕の中で猫がウザい飼い主から逃げようとしているみたいにモゾモゾしている。





「恋実ちゃん…俺だって、傷付くよ?」


「…え?」



「もう会わないなんて言われたら…俺だって、さすがに落ち込むよ…。」



今、俺の心は大分回復したけれど


このウルウルとした瞳が


俺をドSにさせるんだ。





「いつまでも、そんな態度取られたら…

本当に俺のこと好きなの?って

思っちゃうな…。」



それは本心だけど。




そうなの?って感じで
俺を上目遣いで見てくる恋実ちゃん。










あぁ…




俺は恋実ちゃんが大好きだ…。







苛めるつもりが




やられたのは




またしても




俺の方だった。

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