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溺愛禁止。

第10章 笑えば笑うほど。

蓮君にそんな風に言われても不思議と嫌な気はしなかった。


寧ろ、久し振りにストレートな気持ちを聞けて嬉しかったのに…何でも無いって…。




「恋実ちゃん、行きたいとこある?」


「え?」



蓮君任せで何も考えて無かったけど…。



「なんかいっつも俺の行きたいとこばっか連れ回してるからごめんね?」


「…ううん…。」


蓮君の行きたい所でいいんだけどな…。



「どこに行きたいか前もって聞いておけば良かったね?

俺昨日、ちょっと考え事してたし…。」



「考え事?」



「あ~、いや、大したことじゃないんだ。

じゃあとりあえず行こっか?」



「…うん。」








私は差し出された蓮君の手を


自分の心のモヤモヤを消すように


ぎゅっ、と握った。

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