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溺愛禁止。

第13章 離れる心

もしかしたらまだ近くで待っていてくれてるんじゃないかとも思ったけど


やっぱり居なくて…


一人、お店に辿り着いた。





「あれ?恋実ちゃん今日は別々のご出勤?

ケンカでもしちゃった?」





「…いえ…。」




着いてすぐに会った月子さんに曖昧な返事をしながら


私は調理場から聞こえてくる蓮君の声が気になっていた。










急いで更衣室で準備を終わらせて調理場に行くと蓮君はホール担当の女の子と楽しそうに話していた。


さっき私と一緒に居た蓮君の表情はどこに行ったんだろう…。


私は二人に背を向けて仕事に取り掛かりながらも、意識は蓮君と彼女に集中していた。


今まで、蓮君が他の子と話しをしてても
気にならなかったのに…。


楽しそうな二人の笑い声に
私の胸がぎゅうっ、と押し潰されそうだった。



私と健太のこと…


蓮君もこんな風に…




私も逆の立場だったら


もしも…、蓮君の部屋から女の子が出てきた時
蓮君がお風呂上がりだったとしたら


私だって疑ってしまうに違いない…。



私はなんてことをしてしまったのだろう…。

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