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溺愛禁止。

第13章 離れる心

手に持ったままのスマホがドア越しに再び鳴り響いた。




「おい、早く開けろよっ。」



居留守がバレた…。



渋々ドアを少しだけ開けると
健太は隙間から顔を見せた。



「…おい、恋実…。

どういうつもりだよ…。」




「…なんで、ここに?」



「なんでって…アパートの前を通ったら部屋の灯りがついてるから…

バイトに行ってる時間のはずなのに

何かあったんじゃないかなって…」




「…心配してくれたの?」



「当たり前だろ…。」



「ありがとう。」



心配してくれるのは嬉しいのだけれど



「別に、何でもないの…。

ちょっと体調が悪くて早退しただけだから。」



「何でもないわけないだろ?


…泣いたんだろ?」



「…?」




「目を見ればすぐにわかるっつーの。」


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