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最後の恋は甘めの味で

第10章 戻りたくない

私の背後で止まる足音。


ぞわっと変な鳥肌が立ち、全身に汗をかく私。


ランニングをしたわけでも激しい運動をしたわけでもない。


ともなればこれは冷や汗ということになるわけで。


そういう類は信じていない。


お化け屋敷だって全然入れるたちだし、ホラー映画とかも隣で叫ぶ友達をよそにしれーっとしてる。


だが、しかし、なんの気配もなく近寄られれば誰だってそれを思い浮かべる。



いや、ほら!

上條くんかもだし!



心の中でそうであってと祈るように唱える。


恐る恐る下に目を向けると、ちゃんと足がついてた。


じゃ、なくて、その足に履かれていたのはパンプス。


ということは、女性。

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