テキストサイズ

最後の恋は甘めの味で

第10章 戻りたくない

顔を上に上げると見えたのは、ショートヘアのキツめの女性とふわふわな髪をした半泣きの女性。


2人して私を見ている。


私はこの2人に見覚えがあった。


恐らく、同じ部署の子.......なのだが、どうにも名前が出てこない。


そんなことよりもなぜこのキツめの女性は私を睨んでいて、このふわふわ髪の女性は半泣きなのか。


「......なに?なんかあった?」


どう見ても私より若い2人。


私の言葉を聞き、キツめの女性がより強く私を睨む。


「相模(さがみ)さん、この前、雨だった日、どうやって帰ったんですか?」


私の苗字を強い口調で吐き捨てる彼女。



どうやって、って......



考え、ハッとする。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ