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最後の恋は甘めの味で

第16章 燻った気持ち

狭い空間で暁さんに寄ればたちまち暁さんは後ずさり、あっという間にマッサージチェアにぶつかる。


「きゃっ」


尻餅をつく勢いで、暁さんはマッサージチェアに座った。


立ち上がられる前に、俺は肘掛けとなる場所に手を置き、暁さんの逃げ道を塞いだ。


「暁さんの理由の中には、俺の悪口一つも出てきてないんすよ」

「っ......!!」

「そればかりかかっこいいとまで」

「それは誰だっておも」

「振る理由が俺自身にない。暁さん次第なら、俺」


とことん暁さんの話を無視しずいっと顔を近付ければ、


暁さんがビクッとなったのが分かった。







「冗談抜きで手加減しませんよ?」







あと数ミリ。


動けば当たる唇。


俺は躊躇わず、近付く。


........ところをまたしても暁さんに止められる。

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