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最後の恋は甘めの味で

第16章 燻った気持ち

俺は逃げないように暁さんの股の間に片膝を入れる。


固まる暁さんを見下ろしてふっと笑えば暁さんが肩を震わせたのが分かった。


「告白のあと、逃げる暁さんを放置したのは理由が分からなかったからです。もし、俺が嫌いでとかだったら迫ったところでもっと嫌われることになる。それは嫌だったんで」


口頭ではそう言うものの実際はなんとなく察していた訳だけども。


その可能性だって否めなかったわけで。


動かずずっと耐えてきた俺の気持ちは燻りもう抑えきれないほどのものになっていた。







「でも、もうそれではないと分かった。放置する理由がなくなったんです。意味、分かりますよね?」







暁さんの答えを聞くより先に俺は暁さんの唇に唇を寄せた。

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