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最後の恋は甘めの味で

第3章 居酒屋

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もう何杯飲んだのだろう....。


意識が朦朧として、なんとなくふわふわと体が浮いているような感覚に陥る。


「暁さん、意識、ありますか?」


上條くんが心配するでもなくただただ私に呆れながら呟く。


酔っ払って気持ちのコントロールができない自分はその態度が腹立たしくて仕方なくなる。


「らいたい!あんらは、れんらいにらいりれろ、ろんれいのいちが!」

「何言ってんすか......呂律回ってないですよ」


はぁと1つ溜息をつき頬杖をつく上條くんをぼんやりとした視界の中に捉える。


........綺麗な顔....

もっと....近くで....



虚ろな思考の中、私は上條くんに向かって手を伸ばす。

その手をいとも簡単に上條くんは捕らえた。


「暁さん、そろそ」


「なんれもれるのかわかんらいんらもん!らいろ、らういち、れいらく、らういち」

「.....なんでって.....そんなん顔に決まってるじゃないですか」

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