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最後の恋は甘めの味で

第3章 居酒屋

彼は本当に心配してそう言ったのだろう。


だけど少し酔って気持ちが高ぶっていた自分には挑発のようにしか聞こえなくて。


「いけるって言ったらいけるの!!お兄さん、生2追加!」


偶然通りかかったお兄さんを大声で呼び止め、大口を叩いた。


お兄さんはビクッと体を揺らし


「あ、あいよ...」


ぎこちなく返事をした。


「......かわいそうに。今の子、アルバイトって書いてありましたよ」


「うるっさい」

「.......暁さん....」


「うるさい.....」



私は後輩相手に何をムキになっているんだろう....


「.........」

「.........」


私が黙ったことで変な空気が流れる。


その空気が嫌だったのか、上條くんが口を開いた。


「あ」


「へい!お待ち!」


なんというタイミング....


上條くんはそのまま、口を噤んでしまった。

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