テキストサイズ

最後の恋は甘めの味で

第18章 揺れ動く

もう、涙が溢れ返っている目を睨むように向けても迫力はない。


分かっているけれど、敏感になっているこの体にもう一度刺激を与えられるなんてたまったものじゃない。


キッと睨みを利かせるより先に、ちゅぽと音を立て、指が抜かれた。


「はぅ....!」


それだけで漏れる声にまた羞恥を高める。


ハァと色っぽい溜息を吐いたかと思うと、上條くんは目を片手で覆った。


何かを迷うように、抑えるように。


と、見える逃げる隙。


こんな姿で外に出れば確実に上條くんが悪者になるだろう。


それはだめ、と思うあたり、どうかしてる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ