最後の恋は甘めの味で
第19章 変化
PCに向かい、指を動かす。
今日さえ終われば明日明後日休みなこともあり、心なしかいつもより指の速度が早くなる。
そこに、私の元に駆け寄る足音。
それがなんとなく誰か分かりながらも体をそちらへ。
「あ、あの......お、お、お茶、で....す......」
「.........ありがとう。望月さん」
ニコリと優しく笑いかけるも彼女の目は私を見ていなくて
ある一点を見て怯えている様子で。
「........望月さん、多分もうだいじょ」
「ひぃ!ごめんなさい!!」
ダッシュで自分の席に戻り、無我夢中で望月さんは作業を再開した。
ある一点........上條くんの席を見れば、ニヤニヤと笑っている姿が目に付いた。
よ か っ た で す ね
し た わ れ て
口パクだけで意思表示をする上條くんに向かい、適当な紙に
仕事しなさい
と書いて見せれば
そろそろ終わりそうですー
と達筆な返事を頂いた。
字までもきれいなのね。
貴方は。
PCに向かい直しながら、前日の記憶を辿る。
なにが慕われてる、よ
あんたがあんなに怯えさせた元凶のくせに