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最後の恋は甘めの味で

第19章 変化

部長が屋上から消えてしばらくしてから後を追うように上條くんも歩き出す。


屋上の戸に手をかけ、立ち止まる。








「.......ああいうの本当、無自覚なんでしょうけど心臓壊れるから止めて下さい」








振り向きもせず、上條くんは屋上から姿を消した。


ぼっと音がし、私の顔から火が出た。


上條くんの耳......








確かに赤かった








なんなんだ。


それ。


私の頭は、警告を出している。


これ以上、上條くんに近付くな、と。


油断していた。


変化を遂げた気持ちは今まで見向きもしなかったいろいろなものを私に見せ始めたのだった。

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