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最後の恋は甘めの味で

第20章 初めて恋を知った少女のよう

じゃあ、この気持ちはどうすればいいの。


元旦那に縛り付く私の心。


それなのに上條くんを求める心。


それともそんなんでもいいから上條くんとの恋を始めろと言うの?


元旦那を残したこの心で


上條くんに答えろって?


そんなひどい話、あったもんじゃない。


「暁は、綺麗すぎるのよ」


佳世がビールを飲みながら独り言のように呟く。


「みんな誰しも数人の想い人がいて当たり前。例えば結婚してたとしてもTVに出てる俳優とか好きって言うじゃない。みんな。好みだーって。でもいざ旦那見てみたら全然違ったりなんて日常茶飯事よ」

「......その好きは恋慕じゃないわ。憧れよ」

「じゃあ暁のそれも憧れなのよ」


上條くんへの気持ちがなのかそれともあの人への気持ちがなのか。

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