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最後の恋は甘めの味で

第20章 初めて恋を知った少女のよう

「もうめんどい。本当に暁、バツイチなの?っていうほど恋愛下手よね」

「だ、だって」

「もうそういうのいいわ」


ドンっと目の前に瓶ビール1本。


「この場、私しかいないわ。明日明後日休みだし、思う存分酔って思う存分上條くんへの愛を謳いなさい」


突然の命令。


私しかいないって店員さんもほかのお客さんもいるじゃない。


私との関わりは薄いけど......


「これ、1本、暁飲みなさいね」

「え?!ちょっと、私そんなにお酒」

「飲みなさいね」


にっこりと脅迫にも似たそれ。


引くに引けない状況。


「っ〜〜〜〜」



あぁ!もう!!どうにでもなれ!!



私の中でゴングが鳴り、幕開けの一杯を飲み干した。

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