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最後の恋は甘めの味で

第21章 鳴る携帯

きっと暁さんにも普通の顔して久しぶりーとか言いそうで


しっかりしているようでそうでない暁さんだったら普通に涼のペースに飲まれてしまうのが目に浮かぶ。


最初は眉間に皺寄せて、でも会ったことがあるとしたらダメだからと挨拶をする。


そのうち初対面だと気付くけど、その時にはもう涼のペースになってるのだろう。


あれ?って顔した暁さんが見えて思わず顔を綻ばす。


「.......へー.....真也でもそんな顔、するのね」


感嘆の声にハッとする。



しまった......

涼いるの忘れてた



どうせからかわれると思いながら目を隣にやったが、涼にそんな様子はなくて


むしろ優しく微笑みかけられる。


気味が悪くて鳥肌を立ててしまった。


「.......なんか変なもん、入ってたんじゃないの。カシスオレンジ」


マスターを見遣れば、にこりと笑われゆっくりと首を横に振られた。


その笑顔、どこからか良かったねと声が聞こえそうで......


まだ俺と涼をそういう関係だと思っていらっしゃるらしい。



違うってーの



敢えて言いもしないが。

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