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最後の恋は甘めの味で

第21章 鳴る携帯

頭を抱えていた片手を外し、涼はマスターに新たなカクテルを頼む。


頼んだのはアプリコットフィズ。


マティーニと比べると随分と度の弱いカクテルだ。


上着を脱ぎ、どんと構える涼。


どうやら今日はとことん付き合うつもりらしい。


「真也、アプリコットフィズの酒言葉、知ってる?」

「..........」


涼は敢えて触れなかったところをずばっと聞いてくる。


こういうところがなんていうか.......


知ってるも何も嫌味かと思ったくらいだ。


「振り向いてください」


不貞腐れながら俺は呟く。


「あなたの心の代弁よ」


涼はどことなく一点を見詰める。


俺は反対にブラッディマリィを頼み対抗する。


「あらあら、まあまあ」

「俺のためのカクテルと言っても過言ではないな」










ブラッディマリィ


”私の心は燃えている/断固として勝つ”












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