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最後の恋は甘めの味で

第21章 鳴る携帯

あの時の俺はまだ自分の気持ち認められてなかった。


そのくせ目は暁さんを追うばかりで


「当たり前よ。私だったら一発殴ってるわよ」

「上司もそのつもりだったみたいだぞ?それを邪魔したのは皮肉にもお前の商談承諾のお知らせだけどな」

「はぁ?」

「タイミングが悪いんだよ。そんなん来た暁には、みんな俺に拍手喝采起こすに決まってるだろ。俺の周りには人の壁。俺に近付けない上司はイライラを募らせるばかりだったみたいだぞ?」


にやにや笑う俺とは正反対にしまった、と片手で涼は頭を抱えた。


本当に涼は絶交宣言をしたにも関わらず直ぐに商談の承諾をしてきた。


プライベートと仕事をきっちり分けていることが垣間見えた一瞬だった。


俺も俺なりにシステムの説明はしたつもりだし、涼が客として気に入ってくれたなら素直に嬉しかった。

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