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最後の恋は甘めの味で

第4章 あの人

昼休みも終わり頃、佳世は自分が担当していたシステムが動かなくなったとかで呼び出され、現在私一人。




することもなく、ただ空を眺める。



こんな時、頭に浮かぶのは嫌なほどに離婚相手だったりする。



子供ならまだしも.......


もう何年になるだろう。




流れる雲を眺め、ぼんやりと考える。




後悔はしていないのに、あの人の顔が浮かぶ度、胸が締め付けられる。


きっと嫌いだから別れたのではないからだろう。



好きで.....好きすぎて別れたのだ。



「..........」



ふと、自分の頬に伝うものを感じた。


え......やだ

もうなんなのよ




女々しい自分が嫌で乱暴にそれを拭う。


佳世が屋上を離れたのが昼休憩が終わる30分ほど前だった。


そろそろ戻らないといけないかもしれない。





時間を確認すべく携帯を開けたその時。

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