最後の恋は甘めの味で
第33章 初めての..... 後編
ある日の放課後。
朝、見たその席にやっぱりその人はいなくて
俺も未だにその席に居た人を思い出せずにいる。
「やった!今日は私ー!」
「ちぇ.....」
周りの女子がじゃんけんをし、今日抱かれるやつを決めたらしい。
そいつが俺の首元に手を回し、ぎゅっと抱きついて来た。
そのタイミング、俺の耳に入る俺の好きな音。
「うわ.....雨じゃん.....」
「マジかよ......俺傘持ってきてねーよ」
雨.......
ふと頭に浮かんだのは表情豊かなあの娘。
ガタッと音を立て、席を立てば周りの女子たちがぽかーんとしたのが分かった。
そうだ.....
あの席は.....
「どうしたの?真也」
「........なぁ....」
「立花さん、最近来てないよな?」
女達が一斉に体をびくつかせたのが分かった。