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最後の恋は甘めの味で

第33章 初めての..... 後編

やっと思い出した。


あの席は......立花さんの席だ。


いつからだ?


いつからあの席は空席になってる?


思い出そうとするけれど思い出すのは誰とも知れない肌の色ばかり。


「立花さん......最近風邪引いてずっと休んでるよー?真也、朝の連絡聞いてなよー」


女がしらーと言ったけれど俺はそれを信じることができずにいた。



それは、本当か?



そんな疑問だけが頭を埋め尽くす。


「ね、ねぇ、そんなことより、ね?早くシようよ」


俺の体を揺さぶるじゃんけんに勝利した女。


俺はそれを振り解き、その女を一瞥した。


女の肩がびくりと震えたのが分かった。


「なぁ、何隠してんの?お前らになんか関係あんの?立花さんがここにいないのって」

「そんなわけないじゃーん。っていうかさっき言ったじゃん。風邪だって。どうしたの?真也が立花さん心配するなんて。そんな関係なくなかった?」

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