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最後の恋は甘めの味で

第33章 初めての..... 後編




目を開ければ、愛しい人の顔が見えた。


外は静かでまだ夜らしい。



そっか......話してる最中に寝ちまったのか......



俺の初恋は良かったなんてものじゃない。


相手を傷付け謝ることもできぬまま。


想いさえ告げられなかった。


なんだかアホ過ぎて笑いが出てくる。


でも、今はこの人がいる。


暁さんの頬を撫で、それだけで愛しいと再確認できる。


もし、また君に会えるなら、謝りたい。


そして、暁さんを紹介したい。


目を瞑ればその情景が広がった。


暁さんはなんだかへこへこしてて


君はそれを見て笑ってる。


もしかしたら俺が思い描くほど美しいものにはならないかもだけど。


クスリと笑い、暁さんを抱き寄せる。


その暖かさにホッとし、俺は今一度目を閉じた。

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