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最後の恋は甘めの味で

第34章 告白と再会



「俺だけじゃないんですよ。俺が遮った言葉、続き言いましょうか?」


私の心を読むように言葉を吐き、真也はぶすっと横を向いた。


「......”彼氏がいても、俺は君島さんが好きです”」


確かに繋がるけれども.....


それにしてもさっきからの真也の不貞腐れたこの態度。


もしやもしやと秘めていた思いを口に出す。


「......嫉妬、してんの......?」


定かではないそれに?


真也は苦虫をかみつぶすような顔をした。


私の中でふつふつといたずら心が湧いて出る。


居心地が悪そうに真也はなお顔を歪める。


「大体暁さんは」

「上條、くん.....?」


被せたその声、私ではない。


そちらを向けば驚いたような顔をした女性が1人。


真也を見ていた。


何故か.....胸騒ぎがする。


だってこの女性なんとなく.....。


真也の思い出の人と重なる。


首を振り、違うと言い聞かせる。



きっと、真也だって知らない人



そう思って真也を見たのに、その唇は








”雫”








と動いていた。

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