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最後の恋は甘めの味で

第36章 どうして.....?

だけど、それは不鮮明なものを鮮明にしただけだった。


窓から見えるその席。


そこには真也と雫さんがいて、向かい合うように座り談笑している。


”早退”


ホワイトボードの文字が頭に浮かび胸が苦しい。



このために、早退したの.....?

雫さんに会うために.....?



本当のことは分からない。


だけど、今のままじゃ.......どう考えても.....


すると、2人が席を立ち視界から消えた。


きっと外に出てくる。



どこかに、隠れなきゃ.....



そう思うのに体は動かず。


真也と雫さんは店から出てきてしまった。


そして雫さんと目が合ってしまう。


雫さんはハッとしたように真也の肩を叩き私を示した。


真也は驚いたようにしてから歩みを私に進める。


私の目にその真也はひどく汚れて見えた。



やだ......来ないで......



どうしようもない気持ちになった私はその場から逃げ去った。

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