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最後の恋は甘めの味で

第6章 高級ホテル

本当にこの男はどうかしていると思う。


”抱いてやるよ”


一体何を言っているの?


私とあなたは恋人同士でもないし、ましてやセフレでもない。


その上


”泣いていた理由も全部吐かせてやる”


って.....


あんたには関係ないわ



頭の中は冷静なのに体が思うように動かない。


上條くんの足が私の股の間に差し込まれたその時。


「暁ー?」


佳世の声が聞こえた。



そうだ!

私、佳世と約束してたんだった



その声は、もちろん上條くんにも聞こえている筈なのに上條くんの動きは止まることを知らない。


彼の手は、私のブラウスのボタンを外しにかかっている。



ちょ、ちょっと.....!

まさか、ここでするつもり?!



「どこ行ったのかしら.....」


そんな佳世の声が聞こえたと思った数分後、階段を上る音が聞こえてきた。



?!

嘘でしょ?!

ちょっと!!



ここは1階と2階の間の踊り場。


あの足音のスピードだとすぐにここに辿り着くだろう。


きっとあの足音は佳世のものだ。



こんな姿見られたら、私、佳世に示しがつかない....!



懇願する気持ちで上條くんを見上げると、何を思ったのか上條くんはより体をくっつけて私を隠した。


「?あら、上條く.......」


佳世の言葉が止まる。


表情が見えなくても今、佳世が呆れているのがオーラで分かった。



ごめんなさい.....



バレたことを承知で顔をあげようとするところを上條くんに抑えられる。



ちょっと!

あんたいい加減に



口を開こうとしたとき、私より先に佳世が開く。

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