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最後の恋は甘めの味で

第37章 終わった過去、変わった人

年下くんも笑うのを止め、顔を引き攣らせる。


「どうでもしろ。ただ暁さんを泣かせた罪は重いぞ......今すぐ暁さんに謝れ」

「っ......先輩に向かって」

「謝れ」


真也の雰囲気に気圧されたように年下くんは口を噤む。


そんなことお構いなしで真也の雰囲気はもっと恐ろしいものへと変貌をし始めた。


「おい」

「っ!!!全部!!全部言ってやるからな!!クビだろうな!!ざまあみろ!!!」


そう言って年下くんは去っていったけど


足は子鹿のように震えていたしなんの迫力もなかった。


風のようにさらーっと物事が過ぎていって頭がついていかないけれど


もしかしなくてもかなりやばい状況になった?


だって、もし、もしこのことを言われれば


会社に私達の関係がバレるのはもちろん真也のクビは確定になってしまう。


私達の関係がバレるのはどうでもいい。


でも、真也がクビになるのだけは絶対にダメだ。

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