
最後の恋は甘めの味で
第41章 あれ?言ってなかったっけ?
「本当、不器用すぎるにもほどがあります」
パンをむしゃあっと大口で食い、隣に座る小さい暁さんに喝。
お昼を連れ出す方法すら分からないとは。
どこまで不器用なんだよ
ちらりと暁さんを見ればしょぼーんとしてごめんなさいと呟いている。
そんな暁さんを見るとどうしようもなく弄りたくなるわけで。
しかし、屋上と言えど人はいる。
話は聞かれないだろうけど行動に出ればそれは誰かに見られ
誤解じゃないけど誤解が生まれてしまい、その誤解は会社中に広まる。
そんなことが起きれば暁さんには確実に嫌われる気がする。
それは絶対避けたいので結局俺は我慢をすることに。
はぁと息を吐けば暁さんが声を潜め、話し掛けてきた。
「真也、あのね.....会って欲しい人がいるの」
会社で真也と呼ぶ暁さんが珍しく一瞬停止。
